概要
今回紹介するのは、“Dovetail Games – Flight Sim World”(FSW)だ。
※本記事初版は2017年5月19日となる。
※2017年5月20日 調査結果・FSW.CFGを追記
FSWとは
2016年にリリースされた“Flight School”の後継になる。
https://youtu.be/-sLquQfFU_4
今回、Flight Schoolの新規販売は停止され、持っていたユーザーは自動的にFSWの権利が与えられている。Steam上ではFlight Schoolの購入日となっているはずだ。
Early Access版(EA版)とは
名前の通りである。正式リリース前に早期から触れることができ、開発元へのフィードバックなどを行うことができる。
製品版ではないので、バグやパフォーマンスの問題も多いだろう。
また製品仕様が大きく変わる可能性もある。
この制度は多くのPCゲームで利用されるが、製品版リリースが3か月程度(RCテストレベル)のものもあれば、1年程度かかるものもある。
本製品は執筆時点で、そういったマイルストーンは特に示されていない。
本製品はマイクロソフト フライトシミュレータXの後継ということになっているが、ゲームとしてはその通り。
多くのアドオンを入れて自由に組み替えられるかというと、そうではない。
目的によっては後継。目的によっては全く後継ではない。
正式リリースまでには変わるかもしれないがEA版ではこうだ。
実際の利用
本記事初版ではv1.0.16311.0を元に記載している。
初期画面はこのようになっている。Flight Schoolの進化版である。
アナログ軸はデバイスを選んでから設定する。
同じ機能に複数デバイスの軸が割りあたってしまうので、まずは全てのデバイスからAxis設定を”Delete Joystick Assignment”で削除し、必要な軸に機能を割り当てて行こう。
パイロットの名前とホームを設定できる。
ホームは、フリーフライトでデフォルトで選択される地域だ。
フリーフライト
従来のFSXのユーザーは、フリーフライトにのみ興味がある人も多いだろう。
機体を選んで、天気を選び、空港の経路を選択する。
後は”START”をクリックするだけだ。
執筆時点での機体は下記の通り。
空港選択はFlight Schoolと同じ方式だ。
羽田空港に出現した状態がこちらだ。
マイクロソフトのようにゲームもできるOSとしての宣伝を兼ねてお金を投入しているわけではないので、多くデフォルト空港や街は作り直されていない。
デフォルトの空港を見ると、レンダリングされた画像はシャープで明るい見た目だ。
※綺麗という意味ではない。念のため。
動画
下記の3点を動画にしたみた。描画設定は全て最大にしてある。
感想としては、FTXやENVTEX、ActiveSky 2016、Active Sky Cloud Artを導入したPrepar3Dv3には遠く及ばないのが、初期EA版の感想だ。
- トレーニング(スクール)
- 羽田空港(標準で付属の物)
- ワルシャワ市街地(FSX/Prepar3Dアドオン)
製品オフィシャルのビデオのように綺麗な場所は限られていると思う。
同社のFlight SchoolやTrain SimulatorのUnreal Engine4化の時のプロモと実際の製品の際で、「まぁ。こうだよね」と落胆した方も多いと思うが、EA版の初期リリースでは今のところ同様に思える。
FSX/Prepar3Dアドオンの利用(空港・地表データ)
空港のデータの多くは相性が悪くなければ、そのまま利用できる。
DLL.xmlやEXE.xmlに書かれたプログラムと連携するものは難しい。
Scenery.CFGのパスはこれだ。
C:\ProgramData\Dovetail Games\FSW\Scenery.CFG
ファイルフォーマットは、FSX/Prepar3D v3.4と同じだ。
FSWが製品版になっても利用できるか分からないので注意が必要だ。
これらはロックがかかる可能性もある。
今回は筆者がよく利用するアドオンのワルシャワシティXとワルシャワ・ショパン空港でテストを行った。
本製品の使用許諾書上はパスを指定してFSWから読み込む分には問題ないと判断した。
これらには十分注意してほしい。許可されていない製品も多数ある。
もちんろ使用許諾書は契約であるので、各自が自分自身で確認することだ。
街の中心地はこの通り。
FSX/Prepar3Dアドオンの利用(機体データ)
テストは実施していない。読み込めないとの報告もある。
トレインシミュレータのようにDLC販売をしていくという噂もあるので、ロックされたままかもしれない。
パフォーマンスとメモリ
執筆時点で言うと、FPSはFSX Steam版と同程度で、prepar3Dv3.4以下。
メモリは4GB以上利用できている。前述のワルシャワでこの通りだ。
人によるとは思うが、筆者は最初のリリース版としては「ただのメモリーの無駄遣い」という感想を持った。多く使えるから使っただけという感じだ。
FTXシリーズやActive Skyのようなものも入っていない。
ENVTEXも入っていない。この見た目で、このデフォルト機体。
本来ハードウェア側に無駄にメモリを搭載する必要もない。4GBを越えれば良いというものでもないのでソフト側のチューニングに期待しよう。
デフォルトの空港データ比較
Prepar3D v3.4では、岩国基地(岩国錦帯橋空港)が最新の滑走路の状態で収録されている。
FSWの初期ビルドの場合は、FSXと同様に滑走路のデータが古いままだ。
FSX.CFG
本作でもFSX.CFGやPrepar3D.cfgと同様のものがある。
設定方法は同じだ。画面での設定項目が少ないが、直接ファイルをいじることで調整は可能なため、FPSの上限値なども細かくコントロールできる。
C:\Users\ユーザー名\AppData\Roaming\Dovetail Games\FSW\FSW.CFG
最後に
Early Access版v1.0.16311.0での感想は、1年後は分からないが半年は期待できないということになると思う。アドオンが公式にサポートされるのかされないのか、各社の対応は?と言ったところだろう。
筆者は、しばらくは継続して現行のPrepar3Dもしくは次期バージョンを利用することなると思う。
最終製品リリース時に進化がなかったり、既存のFSX/Prepar3Dアドオンが使えない場合は、簡易に飛ぶ人はFlight Sim World。本格的に飛ぶ人はPrepar3DもしくはX-Planeというようになっていくだろう。