Oculus Quest その4 Oculus LinkによるPCゲーム利用

概要

本記事ではOculus Questで利用可能なOculus Linkについて記載する。
※初版は2020年1月11日となる。

Oculus Linkとは

本サイトで2019年より頻繁に取り扱っているOculus QuestはPCを利用しないスタンドアローン型のVRヘッドセットだ。ケーブルレスで自由にケーブルに絡まることなく一定の品質でゲームを楽しめることが出来る新感覚のVRとなっている。だがPCで利用するにはVRソフトはサードパーティの無線LANを利用した方式しか利用できなかった。そして品質はそこそこでしかない。

9月に発表されたのが公式なOculus QuestのPC接続利用となる「Oculus Link」だ。動画は9月に発表された時のものとなる。正式リリースまだだがβ版扱いとして利用ができる。

 

必要な環境は?

利用するためには下記の3つ条件がある。年末ごろよりβ扱いとして利用できるようになっている。

  1. Windows用アプリの導入
  2. Oculus Questのファームウェアアップデート
  3. ケーブルの準備

 

Windows用アプリの導入

PC側はSteam(実質Viveの標準プラットフォーム)と同じようにOculusアプリ最新版を導入する。設定は後述する。

Oculus Questのファームウェアアップデート

ヘッドセット側のファームが最新になっていれば問題ない。通常はWiFiで利用しているはずなので適宜利用していれば自動でアップデートされているはずだ。されていない場合はQuest内で手動でメニューからアップデートする。

 

ケーブルの準備

対ノイズ性能が高く通信帯域が確保できるUSB3.1Gen2のものであれば良い。しかしここ難しい。そもそもノイズ対策の度合いなどは外からは分からない。またコネクタ形状がType Cであっても低速なUSB 2.0形式のものである場合も多い。それらを踏まえて試行錯誤するよりは価格が高くても2019年12月から出荷が開始された公式ケーブルがお勧めである。そして高いのには理由もあるのだ。本ケーブルリリース前は「この製品で利用できた」という報告もネットで複数あったが、今はトラブルシューティングに時間がかかる(端子形状や長さに対する対ノイズ性能)場合等を考慮するとお勧めしない。別のケーブル製品は一次的な利用にとどめた方が良いだろう。公式ケーブルがなかなか入荷しない場合がその一例だ。

 

公式Oculus Linkヘッドセットケーブル

こちらは公式サイトから購入できる。例によって海外から送付されてくるので数日はかかるようだ。値段は執筆時点で10,200円である。また注文が多いためか出荷日が遅めである。
※筆者の場合は事前予約だった。

5mのケーブルが綺麗に巻かれて入っている。

説明書は簡易。USB端子に差し込むことが書かれている程度だ。

高い理由はこれ。一見ただのUSB Type Cケーブルであるが、中は光ケーブルになっている。コネクタ部で電気信号から光に変換し送っているのだ。そのため5mの長さがあっても広帯域を維持できる。「動作した」という報告の別のUSBケーブルとは段違いである。電気ケーブルであれば長さに応じてノイズだらけになるからだ。またQuest用の保護アダプタが付属している。

接続した状態がこちら。アダプタでケーブルがアームに固定できるため、不注意でケーブルをひっかけてしまい、Quest側の端子に負荷がかかって壊れる可能性が大幅に減る。

Windows側の準備

Oculusアプリからヘッドセットを追加する画面に、最新版ではQuestがあるので説明に沿って追加を行う。

この画面はケーブルが正しく接続できた状態だ。前述の通り、品質の悪いケーブルを利用していると全くつながらない事がある。故に公式ケーブルがお勧めだ。

登録が完了するとこのようになる。

 

Steam VRでの利用

Steamで利用する際はSteam VRモードで互換利用する。Oculus VRの場合は執筆時点では未対応のようだ。なおDCS Worldでは利用が出来た。

Oculus VRを選択するとこのようなエラーが表示された。

Prepar3D v4での利用

Prepar3Dの場合はVR対応メニューが存在する。

ただし筆者の場合は環境問題(アドオンを導入しすぎ)の関係か執筆時点ではメモリ容量の問題で起動できていない。

利用の注意

OculusアプリとSteam VRアプリをVR環境として同時起動をしているとVRアプリが正しく起動せずクラッシュすることがある。この現象に遭遇した方は、どちらかを落として片方がゲームをプレイしよう。

 

まとめ

PCで利用する事を主目的にVRヘッドセットを購入する場合はPimax 4Kや5K等の高解像度のヘッドセットをお薦めするが、筆者のようにケーブルレスに惹かれてQuestを購入している人たちにとっては朗報だ。解像度もHTC Vive(片目1080×1200)と比べてQuestは(1440×1600)と3割増しで解像度が高い。そんな方々にお勧めしたい。機体によっては計器もHTC Viveよりは見えるだろう。また同時期にリリースされたOculusのRift Sよりも高解像度である。

ところで個人的にはLucky’s Taleのようなゲームがお勧め。本当にその世界に入ってキャラを動かしているようなファンタジーな世界が広がる。

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