概要
PMDGのB737NGX等には、QRH(クイックリファレンスハンドブック)や、FCOMv1、Fcomv2(Flight Crew Operations Manual volume1及び)がPDFで付属してくる。
これをなるべく安価に手元に置く手順を今回は示す。
またPMDGの他、同種のマニュアル、チャート、チェックリスト等がある場合は参考にされたい。
※本記事初版は2013年10月27日となる。
※2017年3月5日 改版を行った。
注意
PMDGの同種のマニュアルは、ボーイング社とのライセンスの関係からか、ソフトウェアを購入した人しか入手ができないものが多い。
また最近では、PMDG B777等では一部PDFはファイルの設定で印刷ができないようだ。
印刷場所の選択
今回(2013年10月)はキンコーズ 新宿南口店を利用した。
都内では24h営業している個所も多いので参考にされたい。
オンライン入稿もできるようだが、送料を含めてしまうと1冊単位の場合はPMDGから買った方が安くなってしまうかもしれない。
http://www.kinkos.co.jp/store/top.html
利用形態
まずはPCを借りるところからスタートする。印刷目的で来る人がメインだと思われるが、執筆時点で最初の20分で262円ほどかかる。以降、10分毎に課金となる。
PCを借りる際は受付で申し込む。申し込みが完了すると番号を案内され、ログイン状態で渡される。
完全に職業病であるが、後人のために手順をキャプチャしながら利用した。
PCの速度は遅いので引き渡された後、スタートボタンが1分ほど反応しなかった。
USBメモリで持ち込んだQRHをダブルクリックで開く。Acrobat PROが起動する。
ファイルメニューから印刷の設定を開く。
※その他複数のアプリが利用可能
プリンタがMonochrom(モノクロ)になっていることを確認し、用紙サイズを「5 1/2×8 1/2」にする。
所謂、「ハーフレターサイズ」がQRHの用紙のサイズとなる。
これを印刷の種類「小冊子」、用紙サイズを「8 1/2×11」にする。
ようは8.5インチ×5.5インチが8.5インチ×11インチになったわけだ。
ハーフサイズを2枚並べたサイズ。レターサイズだ。
この状態で左上を見ると、”1ページの裏に2ページ”、3ページの裏に4ページ。
そして折り返して”5ページの裏に6ページ”、”7ページの裏に8ページ”と推測できるようになる。
執筆時点のキンコーズでは、今回の範囲の場合、紙の枚数ではなく印刷面の枚数で決まるので、倍の大きさの紙に2ページ印刷すると半額になるのである。大よそB737NGXで2800円程度。
これが価格を安くするポイントだ。
また本物と同じレターサイズを印刷できるのがキンコーズの魅力である。
それでは印刷にかかる。ページ数が多いので、慎重な方はページ指定で10ページぐらいを指定して印刷してみる(当然、費用は加算)のも良い。
今回は、画面で確認を3回したうえでOKボタンを押した。
プリンタへ印刷データが送りだされる。
両面、折り返しの処理等をPC側で行ってから転送されるようだ。ここで大よそ3分程度待つ。
ここでログオフをする。店員の方が印刷したものを持ってくるのを待つが、ページが大量にある場合等は最初の数ページ印刷した段階で、本当に問題ないか確認しに来てくれた。
「問題ないです」と答え、印刷を続行してもらった。
印刷ミスをすると5千円近くが飛ぶこともあるので本当に確認を怠らないことが重要だ。
確認ポイントは、下記の通り
最終印刷物を持ってきてくれるのを待つ。業務用のプリンタなので綺麗である。
受け取ったものを真ん中で裁断依頼する。
厚さ1cmまでは100円程度で業務用の裁断機で精密に裁断していただける。
※無料で斜めにバーを振り下ろす裁断機が使えるが、数千円のものに100円如きでリスクは負えなかった。
裁断した状態がこの写真となる。
これを切断部分を山折に見立てて重ねる。先ほどのBack Cover.2が一番後ろになる形だ。
この状態で、製本を依頼する。
フライト関連の本はまずは「リング製本」一択だ。
片手で開いても、勝手に閉じてしまわないためだ。これができることもキンコーズを選んだ理由の一つだ。
また表と裏に樹脂製(プラスチックのような)カバーをつけていただくことにした。
カバー表裏の2枚で200円程度だ。
http://www.kinkos.co.jp/images/note/sample/sample04.html
製本待ち
残念ながら夜11時30頃にこの状態であったので後日受取とした。支払いは受取時となった。
受取り
想定していたよりも見栄えが良かった。
PMDGが出版しているものより半分ぐらいの厚さになっていると考えられる。
これは表紙やタブ、各ページの紙の質によるのだろう。
8.2章へ飛ぶと、まずは「1. オートスロットル解除」「2. 影響のあったエンジンの確認と閉鎖」と続き、「10. APUの稼働状態」で指示が分岐していく。
「簡単で短い英語」で的確に対応できるように書かれているのが分かる。
リング製本なので開いたところでピタッと止まる。そのため勝手に閉じてしまうことは無い。
費用
総額は下記の通り。予定通りPMDGのものを海外通販する場合と比べて大体半額となる。
※タブや表紙等は別として。
総額:
3,733円(3556円+消費税)
内訳
- PC利用料:
450円 ※20分越えをしたため。 - セルフサービスBW出力(白黒 レターサイズ)
2,486円 11円×226ページ
※2アップ印刷のためPDF上のページ数の半分 - 断裁(紙)
100円 - リング製本
320円 - 製本カバー SB A3
200円※PCからの印刷の場合、プリント代と紙料金が別に記載される場合もあると思うので、自身で確認しよう。
PMDG通販版
AVSIMのフォーラムに写真付きで、いわゆる「買ってみた」スレッドを建てている方がいたので紹介したい。
この方は全マニュアルセットのようだが、参考にしてみると良いだろう。
残念ながら2017年3月現在は、販売されていない。
http://forum.avsim.net/topic/320780-in-depth-review-of-ngx-manuals/
チェックリスト
2014年、FS2Crewの紹介記事用に作成したチェックリスト(Normal Check List)を
同じくキンコーズで作成してみた。
理由は単純だ。本物の航空会社のようにラミネート加工したものが欲しかったからだ。
QRHと同じように印刷するが、今回はカラープリンタへ出力。
そして、出力カードに概要を書いて係りの人に持っていく。
今回は綺麗にしたかったのと枚数も少なく費用も大して掛からないため、少しだけ良い紙(12円だし)を選択した。
そして印刷物を受け取り、ラミネート処理を依頼したものがこちらとなる。
ラミネート処理機は安く売っているが、安いものはローラー本数が少なく仕上がりが良くない。
また手馴れていないこともあるため、今回は良い機器が用意されているキンコーズで処理をした。
費用下記の通り。
- PC利用代
250円 - プリント
A4×52円×7ページ=364円 - 紙
12円×4枚 ※両面のため7ではない。 - ラミネート
150円×4点 = 600円
合計 1325円
今回は「表紙を印刷したくない」等の希望があったため、PC利用料がかかってしまったが、「チェックリスト裏表1枚」「FS2Crewのコマンドリストは必要ない」という場合は、2ページだけにカットしたPDFを事前に作成して持っていけば、300円ぐらいでできるだろう。
下記のような機械でPCレスでPDFを直接印刷できるからだ。
なお、最新版のB737 Normal Check Listsはこちらを参照いただきたい。
印刷例 その1 コンコルドXチュートリアル
アシュレイさんがコンコルドXのチュートリアルを印刷されたのでカッコよいので参考に。
kinkosでConcorde Xのチュートリアルを印刷。上質なA4用紙で両面カラー 154ページ、リング製本。2月末でのクーポン利用で合計 6,124円でした。製品に付属してくるマニュアルのような仕上がり。 pic.twitter.com/EwkBQCLPNz
— アシュレイ@工画堂前チカレイ (@ASHLEY_BERNITZ) 2015, 2月 22
内訳は PCレンタル料 486円 印刷料 154ページ 4,620円 上質紙の追加料 5.5円 リング製本 320円 製本カバー 200円 でした。 — アシュレイ@工画堂前チカレイ (@ASHLEY_BERNITZ) 2015, 2月 22
印刷例 その2 PMDG B777 チュートリアル#1
2017年3月5日 チュートリアルの印刷を行った。
費用下記の通り。税込み2039円(税150円)となっている。
今回は期末セールで、シルバー会員もプラチナ会員価格で利用が出来た。
利用のタイミングで費用は変わるので注意しよう。
- PC利用代
250円 - リング製本
320円 - 製本カバー ストック A4
100円 - 製本カバー SB A4
100円 - プリント
A4カラー 30円× 2ページ = 60円
A4モノクロ 6円×120ページ=720円 - 紙 Cマット-W A4
6.5円×61枚 =396円
PC利用の場合は、例によって20分250円ほどの費用がかかるが、普通紙以外の紙も選択できる。今回は普通紙を使わず1.5倍ほどの厚みがあるものを利用した。
PCからの場合は、ページ単位印刷や、カラーとモノクロをジョブ単位で分けることも可能だ。
そのため事前の準備もさほどいらないだろう。
今回は1~2ページをカラーで。3~122ページをモノクロで印刷した。どちらも両面だ。
プリントト紙料金は別々になっているのにも注目。
PMDGのチュートリアルはハーフレターサイズのPDFのため、前述のQRHのように工夫し、裁断や普通紙を活用すれば、1200円程度で済むのではないかと思う。
セルフプリント機などでA4に印刷する場合はサイズに気を付けよう。プレビューが見れないし、ファイル単位で全ページ印刷しかできないので、無駄な費用がかかってしまうかもしれない。
今回は以前とプリントも異なっていたが、カラーの出力先とモノクロの出力先が別なプリンタとなっていた。そのため、両面印刷の設定方法が異なっている。
タイミングや店舗によってこの辺りは違うかもしれないが、20分を有効に利用して確認しよう。
費用が少し増してでも数ページ個別にテスト印刷してみるのも良いだろう。
最後に
2017年3月現在、セブンイレブンのコピー機でUSBメモリ経由の印刷が可能となっている。
しかしながら、99ページを超えるものの印刷ができない。
また、本記事に書いたように、キンコーズのようなところで印刷する場合も工夫をしないと安く印刷から製本までできない。
ページ数が多い時は裁断、カラーとモノクロを分ける、紙質を必要な個所毎に分ける等、工夫が大事だ。もちろん100円程度の差の場合は時間を買うというのもあるだろう。
キンコーズでの印刷とコンビニ印刷を含む例を動画にしてみた。
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