概要
マイクロソフト Flight Simulator X(以降、FSX)の有料機体アドオン”PMDG 737NGX”について紹介する。
本記事はFSX版について記載しているため、Prepar3D版は別途記事を参照すること。
※本記事の初版は2013年2月11日となる。
PMDGとは
はてなキーワードから引用すると、下記のように書かれている。
PMDGのアドオン機体データは、標準の機体データでは操作することができないような電源、空調、油圧等の
各種スイッチ類、FMS(Flight Management System)等の電子制御装置も操作が可能となっており、実機操作を
意識したリアルな作りとなっている。しかしその代償として、正しく操縦するためには各種資料類を
読み解いて操作を理解することが求められ、初心者にはあまりお薦めできない。
※ニコニコ動画に投稿されていた動画より
簡単に言ってしまえば、飛ぶという単純なこと以外のシステムも可能な限り
実装してしまっているということだ。
基本的に画面にあるスイッチはどれもクリックでき、またフライトコンピュータ等も
ビジュアル面だけでなく、中身も実装されている。
PMDGはイントロダクションマニュアルの中でこのように述べている
「“Simulation” shouldn’t leave you saying: “Well… it is just a flight-simproduct.”」
「シミュレーションは”まぁ、ただのフライトシム製品だから”と言って去ることは無い。」
それだけ製品に自身を持っているということだ。シミュレーションとは自社製品のことだ。
ある意味シミュレーションを名乗る他社製品を揶揄している言葉でもある。
PMDG 737NGX
今回は”PMDG 737NGX Base Package for FSX”を購入した。
このパッケージには、ボーイング737の800/900型の機体が含まれている。
またウイングレット有/無を含む。
本アドオンは本項記載時点で$69.99(6500円程度)となっている。
購入はここから可能だ。他の機体もそうだが、FS9(FS2004)とFS10(FSX)を間違えて購入することのないようにしたい。またPrepar3D用とも別な製品だ。FSX版とは互換性もない。
http://www.precisionmanuals.com/pages/product/FSX/ngx8900.html
600/700型を操縦したい場合には、”PMDG 737-600/700 NGX Expansion for FSX”というものを
購入する必要があるが、これは上記Base Packageを持っている必要がある。
FSX標準付属のB787-800との違い
デフォルトではエンジン起動状態で滑走路に出現すればFSX付属の機体と同様の作業で飛行ができる。
下記の動画は、導入後にFSX SP2 + REX Essential w OD + の環境で羽田から筆者が離陸した際の動画となる。
なんの問題もなくFSX標準の機体と同様の手順で飛び立つことができた。
機体モデルは、内装を含めてFSXに付属する機体よりも精密で、音はより厚みのあるものとなっている。
もちろん必要に応じて、PMDGの醍醐味のであるコールド&ダークの環境で、バッテリ電源投入、FMSの入力等、
旅客機ファンを唸らせるオペレーションも可能だ。
PMDG 737NGXのインストール前の確認事項
下記の内容が満たされているか確認する。
- インストールにあたり、Flight Simulator Xが導入されている必要がある。
- 執筆時点でPMDG 737NGXについてServicePack1cがリリースされている。
SP1cリリース後に購入した人はダウンロードファイル一式は、適用状態である。
それ以外の方は個別にSP1cのダウンロードを行う。
またインストーラ実行中には表示されず、英語のためマニュアルを読むのが面倒と言う方は下記の概要を確認していただきたい。マニュアルのP10でPMDG曰く”Yes, You Really Should Read This”との言い回しだ。
※「はい。あなたは本当にこれを読むべきだ」ただしアンチウイルスの部分は自己責任なので、各自の判断で実施すること。 - FSXをデフォルトの場所にインストールしない。
Program FilesやProgram Files(x86)では無いこと。PMDGのマニュアル例ではC:\FSXだ。
他のアドオンでも何度も繰り返されている話題なので、「動きません」と言う前にチェック。筆者はc:\games\の配下に各種シミュレータやゲームを導入している。 - 64bit OSを利用すること。
FSXは32bitアプリで1プロセス2GBの制限があるが、OSや他アプリと合わせてのサイズも考慮すると、合計値として4GBを超えることもあるからだ。
PMDGはマニュアルで拡張されたメモリ管理機構を持つモダンOSとしてWindows7 64bitをお勧めしている。理由のない「XP最高。情強。」は情弱でしかない。 - FSX.exeを起動するときは、「管理者として実行」のオプションが右クリックメニューで起動。
- FSXのフォルダに対して、ウイルスチェックをしない(リアルタイムチェック)
☆自己責任で設定すること☆
筆者はお勧めしないが、他社アドオン含めてこの文言が多い。 - FSX.CFG [Graphics]内のHIGHMEMFIXを = 1とすること。
スケルトン状態の機体が見える原因はこれとのこと。見覚えがある人も多いはずだ。
テクスチャが欠けたりする問題に対処できるようだ。 - FSX.CFG [DISPLAY]内のWideViewAspectを = Trueとすること。
ワイドスクリーンの場合と書かれているが、今時3:4の比率のディスプレイ使用者は少ないだろう。 - FSX.CFG InfoParkingBrakesEnable=Trueとするのをお勧め。
必須では無いためオプションとして記載されている。
その他、イントロダクションマニュアル(SP1C時点)のP20以降、FSX In-Game Settings等、FSXの画面写真に合わせて設定を行う。REX等導入の場合はWeatherはREXの設定に合わせるのがよいと思う。
パフォーマンス等によって異なると思うので、各自まずはマニュアルに合わせてからトラフィック等を変更してみるのも良いだろう。
PMDG 737NGXのインストール
使用許諾に問題がなければ、同意(accept)し、NEXTをクリックする。
導入方式を”Complete”にし、NEXTをクリックする。※Customにする理由は特にないと考えられる。
インストール先を選択する。自動でFSXのインストール先が選択される。NEXTをクリックする。
途中、DirectXを導入要件として必要であるとの説明がポップアップされる。
OKをクリックする。
DirectXのランタイムのインストーラが起動する。指示に従い、問題がなければアップデートを行う。
※詳細省略。
インストーラが完了するので、Finishをクリックする。
インストール後の設定
FSXを起動すると、下記のようなメッセージが頻繁に表示されるので、随時YESをクリックする
※英語版FSXの場合
機体選択で、PMDGのBoeing 737を選択する。
下記のようなメッセージが頻繁に表示されるので、随時「実行する」をクリックする
購入時のアクティベーションコードを入力し、Activateをクリックする。
インターネットを使用して、アクティベーションが完了すると、下記のような画面が表示されるので、
OKをクリックする。
PMDG B737 NGXの操作方法
国内で日本語による解説を行っている方がいるので、リンクで紹介する。
非常に分かりやすいので、お勧めをする。
また記事の終わりに他関連記事へのリンクがあるが、AOAのトレーニングもお勧めしたい。
初心者のための PMDG Boeing 737 NGX Part1 出発準備
初心者のための PMDG Boeing 737 NGX Part2 FMC入力
初心者のための PMDG Boeing 737 NGX Part3 離陸
初心者のための PMDG Boeing 737 NGX Part4 オートパイロット
初心者のための PMDG Boeing 737 NGX Part5 着陸
PMDG B737 NGXマニュアル
インストールすると、マニュアルのPDF版が含まれている。
これはクイックリファレンスだけでも452ページもあるしろものだ。
マニュアル本編に至っては、2冊に分冊されており、大よそ3000ページに及ぶ。
印刷された状態でも販売されているぐらい、よく吟味された内容となっている。
よく見るとクイックリファレンスはリングファイルになっている。
これは本物の飛行と同じ理由で、膝の上等で開いた状態のままにしておけるためと考えられる。
※PMDGサイトより画像引用
イントロダクションとチュートリアルについては、購入していない人も事前に閲覧可能だ。
購入の参考にしてみるのもいいだろう。これだけでも十分に読み応えがあるはずだ。
なおチュートリアルについてはAngle Of Attackが作成している。
http://www.precisionmanuals.com/pages/downloads/docs.html
FAQ
Q: TO/GAを押すと加速はするが、途中でオフになってしまい離陸推力下がってしまう。
A: スロットルに設定されているアナログ軸が微妙にノイズ等を出して、N1値が(気がつかない範囲でも)
前後している場合、TO/GAが停止してしまう。
デフォルトではA/T MANUAL OVERRIDEが “IN HOLD/ARM MODE ONLY”となっている。
これをPMDG B737NGXのCDUから”NEVER”に設定変更する。
可変抵抗の分解清掃を行っても直らない時はこれで対処を行う。
操縦に影響があったり、スロットル固定時に眼で見て分かるレベルで値が上下してしまう場合は、
こちらも確認した方が良い。
Q: セーブデータをロードすると不安定
A: PMDGとしては2度同じ「機体を」ロードすることを推奨していない。
一度FSX自体を終了し、セーブデータをロードすることが望ましい。
Q: 日本語マニュアルは無いの?
A: 有志の方が翻訳し、アップロードしてくれている。※2013年10月22日現在。
特にチュートリアルはおすすめ。FMCの基本から短距離国際線の飛行について詳しい説明がある。
これを見ながらの練習はお勧め。
「Moonlight PMDG 和訳マニュアル」
Q: パフォーマンスが悪い。FPSが悪い。コックピットや機体の描画が欠けたり、グレー色のまま。
A: “Performance Manager”から設定を行う。現象によってRAM(PC本体)不足、VRAM(ビデオカード)不足等
考えられる。FSX全体での調整が必要だがPMDG自体は同ツールで設定が可能だ。
下記は、コックピット内の描画の解像度をLOW(メモリを食わない・描画処理を軽くする)にして、
計器類は見やすくした例となる。
Q: 離着陸訓練のために、既にActiveRunway上で保存したフライトを流用して、別の空港で飛びたい。
A: まずはフライトのロード。次にWorldメニューから出発地となる空港と滑走路を選択します。次に既に入力してしまったフライトプランの一括削除をします。手順は簡単。
下記の画面でORIGINとDESTを上書き。
これでフライトプラン(ROUTE)が空になります。
次にDEPとAPRを設定し、V1・V2・Vr速度をINIT REFから設定します。
Q: 実機の着陸動画見ていると、操縦桿の赤いボタンを押してオートパイロットキャンセル。
2回目押してオーパイ解除の警告音をキャンセルしているけど、どう設定するのか?
A: FSUIPCで設定を行う。下記の設定を行うことでPMDGの機体内のボタンとジョイスティックのボタンを同期させることが可能だ。FSUIPCは別記事を参照する事。
ピンバック: クイックリファレンスハンドブック(QRH) その1 | Simulator Laboratory "SEALS"
こんにちは、PMDG737を購入しインストールしました。そしてP3D v3 を開いて起動すると計器が表示されないどころかスイッチすら動きません serial番号をうつ項目もでてこなかったし、解決策を教えていただけるとありがたいです。
こんにちは。解決策は分からないですが、P3DでFSX版を動かそうとしてないですか?
それぐらいしか思いつかないです。