概要
今回はFSX及びPrepar3DでのSDKを用いた開発ライセンスについて記載する。
対象はSDKを利用した、シーナリーやアドオン等すべてが対象となる。
内容は執筆時点のものに基づくため、随時、各自がEULA(使用許諾)を読んで確認いただきたい。
筆者は法律や契約が専門ではないので、参考程度とする。
自分の考え方を書くのみで限定するものではない。
「使用許諾なんて読んでねーよ」で済ますのは、単なる利用者の時はそれで済むのかもしれないが、FSX/P3Dに限らずSDKを利用して成果物を配布する場合はかならず注意したい。
転載された場合は、差し戻すことができないからだ。
※初版は2014年4月13日となる。
※2016年8月26日 一部改版
FSXの場合
基本的にはSDKのライセンスの使用許諾書を読んでいただきたいが、大きな制限はない。
開発関係者がFSXを1人1本購入して、SDKの権利を持っていれば問題はないだろう。
作成してフリーでアドオンを配布しても販売しても問題ないと考えることもできる。
制限があるとすれば、ホスティングサービスでの利用等だけだと考える。
ただし各自自分の判断でEULAを理解する事。
なおFSX SDKが付属していないエディションを利用している場合はこの権利はない。
※英語版等を利用している場合は、付属していないエディションがある。
※詳細はSDKをインストールしたフォルダ内にあるEULA.htmlを参照いただきたい。各国版が記載されている。
Prepar3Dv2の場合 -基本-
Prepar3Dの由来は別の記事を参照していただきたいが、基本的にはコンシューマユースでは利用できない。
訓練や学習での権利があたえられるだけだ。
Prepar3Dv2には複数のライセンスがあるが、開発者ライセンスを持っていなくても、
Prepar3Dv2の権利を持っていれば、SDKのダウンロードができる。
それどころか自分自身のために利用する分にはSDKを利用して開発しても良い。
EULAの例はこちらだ。これはSDKインストール時のものなので、開発者ライセンスの有無は関係ない。
全員共通だ。
では、開発者ライセンスは?というと、単純明快。ライセンスオプションを参照する。
※正直言ってこのライセンス比較表は表であって「契約を交わした内容」ではなく、ただの表だ。
EULAが同じなら同じだと考えられるが、それは各自の判断で。
- 建前上は開発を行うためのライセンス。訓練を行うためではない。
「テクスチャの描画具合を見るために離着陸しています。」「サードパーティ製品との接続テストのため~」等
言える材料があればよい。 - 費用は月額で月単位でやめることができる。解約しなければ継続。
fsxからの移行を考えてテスト。1か月だけ入って平行運用ということもできる。
軍事機能が付いたPRO Plus版は25万近くするが、開発者ライセンスなら3000円程度でお試しができる。 - 2本分を利用する権利が付いてくる。
SimConnectやSharedCockpitのテスト等も想定されているため、開発者1人つき2本利用できる。
FSUIPCやWideFSのテストも安くできるわけだ。
Prepar3Dv2の場合 -問題点は?-
購入時のページに記載されているが、「作成したファイルの配布には商用ライセンスが必要」な場合があるというところだ。
開発者ライセンスなしの場合は? Prepar3Dv2の場合 -対処は?-
単純明快。
Prepar3Dで実装された新機能やSDKを使わず、FSXまでで実装された機能と
FSX SDKでのみ作成しファイルを展開すれば良い。
FSXベースで作成しても「Prepar3Dに対応」という文言はグレーであるため、作者自身では宣言はしない方が良いだろう。
SDKを使わなければOKともEULAを読むこともできるので、書いてしまっても問題ないのかもしれない。
※ただしLM社のページにFSXのシーナリーを取り込む方法等のページもあるので、
他者が「Prepar3Dで○○Xが動きました」というのはありなのだと思う。
その他留意事項
コックピットビルドを行っている方々が利用しているソフトなどは、
商用と非商用が明確に分かれていることが多いので、馴染みの内容かもしれない。
たとえば、PROSIM737が有名であろう。
Web Storeでは明確に「Non-commercial licenses」「Commercial licenses」と書かれている。
商用の単語の定義も書かれているのだ。
また、普段しているアドオンの中にはEULAの中に「Commercial」という単語がでている場合がある。
家庭での利用の場合は気にしなくても良いが、貸出をするような施設で
利用する場合や収入を得る場合は注意が必要だ。
開発者として気を付けること
「自分はプログラムはしないから」というのは開発者ではないからとイコールではない。
デザインやテストもEULA上は開発者の扱いになっているので、各自自覚が必要だ。
自宅でEULAを無視してインストールするのと、自作シーナリー等を配布したり他者が転載をして、
回収不可能になってロッキードマーチンの強力な法務部門から警告が来るのは
問題レベルが違うので作者各位は気を付けるべきだ。
Prepar3D v3
v3では、基本的にはEULAが少し緩い条項となった。
こちも各自で読んでほしい。
今後
SimConnect関連のメモはアドオンを開発をしている以上、いくつか書き留めているものがある。開発者の反響がある場合は記事を増やしていきたいと思う。
※非常に力を入れたrFacor2のプラグイン開発の記事のビュー数が少ないため、
今はFSX/P3Dの同様の記事は考えていない。