概要
今回はPMDGのB737NGXへのアドオンとしてリリースされている「FS2Crew」関連ソフトウェアを紹介する。
なお、その他機体向けのものもリリースされているので、B737以外の使用者も参考になるだろう。
改版履歴
2014/3/22 チェックリストの作成とリンクを行った。
2014/3/24 PMDGのQuick Referrence Handbookに準拠したチェックリストも作成し、同梱した。
ソフトウェアの詳細
1. FS2Crew: PMDG 737 NGX Special Bundle Pack
ボタンもしくは音声認識で、コパイロットに指示を与えられるソフトウェアである。
また機体の状態に合わせて、自動的に会話をしてくるので「雰囲気系」ソフトウェアとしても利用可能だ。
コパイロットの声は、アメリカ人・イギリス人・ヨーロッパ人から選べる。
2. FS2Crew: Emergency NGX!
“FS2Crew: PMDG 737 NGX”へさらにアドオンするソフトとなる。そのため1.のソフトが必須だ。
このソフトはPMDG B737NGXに付属するQRH(クイックリファレンスハンドブック)に記載された
緊急事態に対応するための機能がメインだ。
QRHを印刷することを推奨している。QRHは別途紹介を行っているのでそちらを参照されたい。
さらにおまけとして、7人のコパイロットが追加で選択できるようになる。なお女性パイロットを含む。
ヨーロッパで大きなくくりだったものが、イタリアやドイツなまりのコパイも選択が可能だ。
ただし、Emergency機能はオーストラリア人の発音だけが利用できる。要注意だ。
https://www.youtube.com/watch?v=0rSV0UPdErw
インストールの注意事項
音声認識機能を使う場合、必ず音声認識エンジンの設定を行う必要がある。
なお下記の内容はWindows7を対象としている。Windows8.1では別の記事を参照すること。
マイクロソフト公式な方法ではなくOSが動かなくなったという情報もあるため、注意が必要となる。
各自自己責任で実施する事。
マシンのバックアップは実施しよう。
- 英語音声認識
通常、日本語版Windows7(家庭向け)で利用する場合は、日本語の認識機能しか入っていないため、
英語用のパックを別途ダウンロードする必要がある。
音声認識エンジンは、Fs2Crewが提供するのではなく、あくまでWindowsが持っている機能だ。 - ロケール設定
1.の音声認識の設定(音声認識AIの教育)のためには、英語版Windowsのメニューが必要だ。これはMUIのインストールをして対応する。また切り替えは、”Vistalizator”等を利用して、一時的に切り替える。
単純にEnglishの言語リソースファイルを選択して、”Change Language”をクリックするだけだ。
Visualizerを閉じることで再起動が促され、再起動後スタートメニュー・その他が英語版に変わっているはずだ。3.の言語エンジンの教育後、日本語に戻す。
前述の通り、Windows8以降では必要ないソフトであるし、英語版Windowsに対応できていないソフトは、問題が発生する可能性がある。FS2Crewのためだけに利用するかは考えた方が良い。
- スピーチエンジンの教育
コントロールパネルからSpeech Engineの教育を行う。”Train your computer~”だ。
上の画面に表示されている英文を読む。読み終わると次の英文が表示される。下の画面のTraining progressが最後まで来ると、1回分の教育の完了となる。
教育は数回繰り返した方が音声認識の割合が高くなる。最低3回は実施しよう。
そうすれば”LとR”の違いや”Th”の発音等、ジャパニーズイングリッシュ発音でもかなり認識しやすくなる。FS2Crewは自身のもつ単語・文章に近いものとして認識してくれるので、実際に思わずしゃべってしまった”what’s up”を”Gear Up”と認識してくれたぐらいだ。実施後、日本語メニューに戻すこと。FS2Crew自体は日本語環境で動作するからだ。
チェックリストとコマンドリスト
本ソフトではPMDGのQRHとほぼ同様の内容でチェックリストの確認が行える。
製品添付の記載は、一覧性に乏しいので筆者の方で、作成し直したので参照いただきたい。
合わせて、よく使うコマンドの一覧も取りまとめた。
ここからダウンロードすること。
印刷をしてラミネート加工した写真はこちらの記事に書いている。
テスト
今回、オーストラリア人コパイロットを選択しテストを行った。
特記事項は下記の通りだ。
- チェックリスト等は、プレーヤーの声に反応して読み上げてくれる。
- ランディングギアやフラップの設定は、声で指示ができる。
- コパイロットが飛行機の状態を見て、自動的に「80knots」や「positive rate」etcを発言してくれる。
※筆者が離陸時にピッチを上げすぎてしまったのもちゃんと注意してくれている。 - エンジン火災等が発生すると、コパイロットが反応してくれる。
- ギアアップを指示していれば、ギアアップ後の指示灯確認と、OFFの位置へのレバー移動をコパイロットが
自分の判断で発言や実施をする。 - 故障はFS2Crew Emergencyが作り出すのではなく、PMDG B737 NGX自身の機能で発生する。
メンテナンス時間や意図した設定等で故障が発生するように設定する必要がある。
今回は概要の説明となったが、時間があればQRHに合わせた利用方法を説明したい。
FAQ
Q: ネットワーク接続でサーバからキックされる。
※その他複数の事象あり。
A: 本来はPMDG B737自体のバグだが、FO(コーパイ)がVSD(バーティカルシチュエーションディスプレー)を
使うと、ネットワークに問題が発生する。
今回、オーストラリア人コパイロットを選択しテストを行った。
\AppData\Roaming\FS2Crew2010\Versions\PMDG737NGX\SavedData\FS2CrewData.ini
のDisableVSD = 0を1にする。
コパイのNDを見ることはないと思うので、DisableVSD=1にするのも検討の余地がある。
Q: コックピットボイスレコーダーがあるの?
A: 直近のコーパイとの会話がFS2CrewCVR.logに文字で記録されている。
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