Core i7 7700Kとフライトシミュレータ

概要

今回紹介するのは、CPU。Intelの”Core i7 7700K”だ。
※本記事初版は2017年3月20日となる

 

Core i7 7700Kとは?

Intelがリリースしている最新型CPUで、Kaby Lakeと呼ばれる第7世代Coreテクノロジーのプロセッサだ。メインストリーム向けでは最高峰となる。

Core i7 3770Kからの移行で、AMDのRyzen 7が話題の今、何故Core i7 7700kを選択したのか疑問に思う方もいるだろう。7700と7700Kの選択ではオーバークロックが可能かどうかで選択をした。価格も大して変わらないのでK付としている。
理由は後述する。

 

結果

性能は大きく改善された。答えとしてはこれで十分だろう。
いくらソフトでチューニングしても、ハード性能はやはり要である。

7700Kを利用しているので、オーバークロックも現実的な範囲で実施した。
定格で4.2GHz。ターボブーストで4.5GHzで動くところを、後者で4.8~4.9GHzとした。
※随時変更している。

ハードもソフトも設定地獄に墜ちるは目的と違うので、簡易設定の範囲とした。
電圧修正等を手動でやるのは、筆者の目的から離れており時間的コストでナンセンスだ。

単純にコア実行周波数に比例しないが、定格に加えて10%程度向上する可能性がある。
※オーバークロックは故障しても利用者自己責任の範囲である点に注意。同じ構成・同じ設定にして動くという保証もない。

次にPrepar3Dを起動し、CPU負荷が高いと認識しているシチュエーションで計測をした。
この時、ターボブーストでコアが4.9GHzになっていることを確認する。
負荷が高めとは、景色がバンバン変わり、容量が大きい空港が近づいてくる着陸時のシーンことだ。
これは「FSiPanel」で直ぐにシチュエーションを準備できる。

次にもう一度、重めのシチュエーションで計測を行う。
今度は全コアの「周波数と温度」を確認できるようにした。

これは80度を超えない程度のオーバークロックか確認が必要だからだ。
CPUクーラーは「白虎」を利用している。
7700Kには標準ファンが付属しないので、大型クーラーには興味もなく、売れ線で性能がそこそこのものを選択している。

グリスは熱伝導率9.0W/m・Kのものを利用した。空割りも実施はしていない。
結果の通りだが、5GHzを超えるわけでもなく、CPUクーラーもある程度の性能を持っているので、伝導率が高いもので接着すれば十分だ。
グリス自体は価格は高くないので、6W/K台等低いものよりは、上のものを選択しよう。費用対効果を重視すべきだ。

 

テストシナリオ1 ~国内~

筆者の環境は、地上から空までアドオンが多く入っている点には留意してほしい。
代表的な重いアドオンは、ORBXのGlobal Base、Vector、ENVTEX、Active Sky 2016/Cloud Artといったところだろう。

WCIの成田空港とPMDG B777の組み合わせで録画しながら着陸したのがこちらだ。
3770Kの時と比べてスタッターが低減され、概ね20~30FPSの間で着陸できるようになっている。FPS向上よりもスタッターの低減が良いフィーリングにつながっているのが感想だ。

 

テストシナリオ2 ~国外~

筆者がPrepar3Dに移行したきっかけのシチュエーション。ロンドンのヒースロー空港への着陸だ。
ここではさらにORBX FTX Englandが導入されている。
VASがギリギリの状態を表す警告音を発しながら、各コアのクロックが必要に応じて4.9GHzまでリアルタイムに上がっているのが確認できる。
CPUコア温度は75度程度までに収まっている。

また”CPU #0″の負荷率が常時100%近くに張り付いているのも読み取れるだろう。

各コアのターボブーストの状況変化が分かるように録画したため、バックグラウンドのシミュレーターの音声は記録されていない。

 

テストシナリオ3 ~別の機体~

これは追加で実施したテストだ。重い代表格のもう一方の機体。
FSLabs A320Xでのテストを、WCIの静岡空港で行ってみたものだ。
これは想像以上にスムーズだ。
Prepar3D v3でVASか足りなくなる大規模な都市型空港以外は、これで十分事足りることが確認できた。
※配信中継を見ていたため、他の方の声が入っているため音声は削除してある。

 

ターボ・ブースト・テクノロジーがフィットする理由

オーバークロック設定は、Intelのインテル ターボ・ブースト・テクノロジーの最大周波数を設定する項目だ。
これはCPU全体の熱量(=仕事量)の総計の範囲でコントロールするものである。

「FSX/P3D環境のチューニング その2 検証と考察」にも計測結果を元に記載しているが、現行のFSX/Prepar3Dではシングルコアへの依存が高い。言い方を変えると作りが古い(悪い)。
仕事をしていないコアが多数あるため、その分の仕事量を一定の範囲で特定のコアに割り当てることができる。
結果、ターボブーストがFPSへ与える影響は大きい。

 

Ryzen 7ではなくCore i7 7700Kにした理由

1文で書いてしまうと、Ryzenが悪い訳ではなくタイミングの悪さと利用領域に合わない、確信が持てないというだけだ。
コアとCPUキャッシュを有効利用できる分野では確実にRyzenは速い。これは間違いない。
執筆から1か月も経過すれば状況が違うものもあるが、今後のシステム換装の1つの考え方としては参考になればと思う。

  • マザーボードが売ってない
    執筆時点だが、売れすぎて欲しいマザーボードが売ってない。無いものは無いのだ。
    筆者はCore i7 3770kからの移籍組だが3年経過したところであった。
    移行は2月から3月と決めていたので、選択肢から消えた。
  • 比較対象が違う
    Ryzenとよく比較されるCore i7 6950Xや6900Kは10万円以上するハイエンドの物だ。
    現実的な範囲では、7700Kとなる。今回はK付を対象としている。
    4万2000円程度の7700Kと6万4000円のRyzen 7 1800Xでは価格が全く異なる。
    マザーボード分の差額が出てしまうほどだ。
  • シングルスレッド性能を求めていた
    性能を上げたいのはPrepar3Dである。一連のFSX/Prepar3Dチューニング関連記事の通り、現行のPrepar3D v3ではシングルスレッドの性能が重要だ。他の利用ソフト、例えばDCSやDirtRallyでは3770kでさえ性能が十分であったし、ビデオエンコードの速さを求めているわけではないので8コアで性能向上とならず意味が無い。
    3770kと7700kのシングル性能比較で、コア単体の性能向上、周波数向上の2点で確信が持てた。
  • 信頼できるRyzenとのPrepar3D上での比較が無かった
    Ryzenと7700kで、同一シチュエーションでのPrepar3D上の信頼できる性能比較が見当たらなかった。他のソフトで2倍の性能になってもPrepar3Dで同じだったら時間もコストも無駄になる。
    それは避けたかった。単にRyzenでPrepar3Dが速かったという結果は意味が無い。比較対象があってこそだ。前述のシングルスレッド性能による性能向上の確実性を選んだというわけだ。

これらは1年後、Prepar3D v4(64bit)がリリースされた際にでも考えれば良いということにした。

 

Core i7 7700Kの無駄な機能

短所も書いておこう。
多くのゲーマー・シミュレータ愛好家の方は、GPUが載ったボードを別途利用していると思う。
Core i7には、簡単なゲーム向けには十分な性能のGPUが内蔵されている。
それがチップ上に載っていても別途GPUを持っている場合、Prepar3D上では無駄になる。
使われない領域にお金を投資するということだ。Ryzenはそういった無駄は省かれている。
AMDの場合、GPU内蔵が欲しければAPUを利用するのが正しい使い方だ。

 

最後に

関連記事として“GeForce GTX 1080とフライトシミュレータ“も参照していただきたい。
また、チューニング関連記事一式も参考になるだろう。

随時変更されているが、記事「筆者シミュレータ環境」に最新の状況は記載している。

FSX / PREPAR3D
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