離着陸訓練ソフト「FSiPanel」

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概要

今回紹介するのは、離着陸訓練ソフト「FSiPanel」だ。
製品自体の画面はシンプルで、実は非常に便利なお勧めソフトだ。
※初版は2014年9月20日となる。
※2016年8月4日 ウェザーアドオンの連携についてFAQ追記。

 

あなたは?

過去にPMDG B737やQ400のFAQに離着陸訓練のための設定手順を簡単にではあるが書いた。
しかし、毎度毎度、空港が変わる度に設定をして離陸をしてと繰り返すのは「めんどくさい」

機体によっては「2度読み込み禁止の機体」「ファイルロード後15秒間応答無しで、高度が落ちる」「急激にエンジンをふかされてしまう」等フライトのロードとセーブでは解決できないものもある。

タイトーの「トップランディング」のように気軽に、そしてリアルな挙動で着陸が楽しめればいいのにと思う人もいるのではないだろうか?

 

FSipanelとは?

そんな夢をかなえるソフトがFSiPanelだ。
わざわざ離陸前の準備~離陸~旋回といった15分近くかかる作業を実施しなくても着陸訓練ができるのだ。

例えば成田の34Rの4マイル前から本ソフトとQ400で訓練を開始したのがこの画面。
もはやスロットルと3舵の操作のみで訓練できるのだ。
ギアも降り、フラップもセット、ILS周波数も入力済み(A/Pもオン)である。

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対応している機体

FSX/Prepar3Dのすべての機体が対応しているわけではない。
執筆時点では下記の機体のみが対応している。
基本的には外部から操作する仕組みが用意されている機体ばかりだ。
しかしながら、どれも市販アドオンとしては人気のある機体だ。
それ以外の航空機も飛べるものもあるが、随時、オフィシャルページを参照していただきたい。

  • iFly 737NG (all variants)
  • iFly 747-400 (all variants)
  • PMDG Boeing 737 NG (all variants)
  • PMDG Boeing 747-400, Boeing 747F
  • PMDG Boeing 777-200LR, Boeing 777F, Boeing 777-300ER
  • Level-D Boeing 767
  • AEROSOFT Airbus X (有償FSUIPC必須)
  • AEROSOFT A318/A319/A320/A321 (有償FSUIPC必須)
  • MAJESTIC SOFTWARE Dash8-Q400 (有償FSUIPC必須)
  • A2A Simulations Cessna 172 trainer
  • A2A Simulations Cessna 182
  • A2A Piper Cherokee 180 (有償FSUIPC必須)
  • Turbine Duke V2

※希望がある場合、対応してほしい機体名を公式フォーラムで投票せよ!と書かれている。

SETUPから機体の登録作業(上記で持っているものを登録)と、空港データベースの読み込みを行うだけで、基本的な初期設定は完了だ。
セットアップ後の初回起動時に「FSX/Prepar3Dv2どちらかを使うか?」と「視程をメーター/フィートどちらで表記するか?」と聞かれる。
結果、Prepar3Dv2の場合は、下記のようになる。
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その後は空港データを読み込むだけだ。
初回は数分はかかるはずだ。
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機体もそうだが、空港もBGLファイル等から読みだして登録されていくので、空港アドオンがアップデートされた際はDBも更新しよう。
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あとは訓練スタートだ。基本画面はこちら。
対象となる空港、ランウェイ、スタート場所、距離、機体の向き等を選択してメニューからMOVE ACというメニューを選ぶとシミュレータに反映が始まる。
あとはポーズのメニューが出るまで待つだけだ。

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FSX/Prepar3Dは先に起動していてもいなくても良い。
起動していない場合はMOVE ACをクリックすると、自動的に起動される。
後はFSX/Prepar3Dのフライトのボタンをクリックするだけとなる。

その他エンジン故障時や、天気等の設定もできる。

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機体は、この画面で登録していく。
登録方法は機体によって違うため、こちには記載しないがマニュアル通り、画面の指示通りに実施することが必要だ。
基本的に、機体をシミュレータ上に一度ロードする必要がある。

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実際にテストする

筆者がテストした動画がこちらだ。
羽田のRUNWAY22に4マイル前から着陸訓練を実施する。

驚くのはFSX/Prepar3Dへの反映内容だ。

機体のMCPへの設定、ブレーキ、オーバーヘッドパネル、ILS周波数、ランディングギアのみならず、なんとFMCへの設定も次々と自動で行われていくのだ。
そして最後は空中停止し、微調整・安定化を自動で行う。
このおかけで、スタート後、急激なエンジン拭けあがり等は発生しないのだ。
※今回はiFly 737でテスト。

最後にシミュレータがポーズ状態になるので、解除すれば着陸訓練のスタートだ。
必要に応じてVOR LOCボタン等を押してスタートするだけとなる。

 

飛行後のレポート

着陸し、機体が停止した後には、レポートを表示するボタンが現れる。
結構、シビアに評価される。Landing Distanceは停止するまでの距離だ。
成田16Rでの結果なのだが、「長い滑走路だから」と余裕をかますと、こうなる。

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もう一つ。FlyTampaのドバイでの着陸訓練がこちらだ。
着陸時のビルや中東の景色が素晴らしいアドオンだ。
レポート結果は、結構厳しい採点だ。
だが面白い。全てをグリーンにしたくなる面白さだ。

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少し失敗しても?

ときどき教官は優しい。
ドスンっと着陸してはいけない手前の範囲に降りても黄色の警告レベルのレポートをくれる。
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Q400でノルウェーのオスロに降りた動画がこちら

 

おすすめ

私のように遅く帰宅する社会人!
44.95米ドルと少し値段が張るが、そんなあなたにおすすめだ。
「離着陸の訓練の時間は今日は無いな」というのが、「着陸なら時間がある!」に変わる素敵なソフトだ。

 

FAQ

Q: MOVE ACを選択すると、下記のエラーが出る。
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A: 筆者の環境限定かもしれないが、AEROSOFT AIRBUS A318/A319をインストールすると同時に入る、”.\RAASPRO\RAASPRO.dll”がDLL.xmlの中で指定されているとエラーがでる。これをDisableにすることでエラーは消えた。2015年6月時点ではこのエラーは見かけなくなった。

 

Q: 機体が選択できない
A: 単純だが、下記の赤枠部分をクリックすると、機体選択画面が表示される。
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Q: 着陸訓練では、4マイルと8マイル前の他に手動で距離が設定できるけど、どのぐらいの距離が限界なの?
A: マニュアルでは2マイルと書かれている。ただし、PMDGの機体のようにロード後15秒間エンジンの始動に時間がかかる場合などは4マイルでも近すぎる。降下して高度が大幅に下がってしまうからだ。AEROSOFTエアバスなら4マイル。PMDGなら8マイルぐらいと考えよう。

Q: iFlyの挙動がおかしい
A: 登録した機体について、iFlyのセットアップからNormalステートでの起動になっているか確認する。
またCDUの入力がWithout Delayになっているか確認する。
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Q: AEROSOFTのエアバス機体を登録したが、スタートするとファイルを開くダイアログボックスが表示されてしまう。
A: FSiPanelのオプションに、エアバスのステートファイルを開くダイアログのタイトルをメモし、登録する必要がある。
Windows8.1日本語版であれば日本語で「開く」だ。
そうすれはFSiPanelが作成したステートをエアバスが読み込むはずだ。その後、スロットルをCLレベルにセットする必要がある。EICASで確認しよう。
少し待つとPause状態となり、着陸訓練開始となる。
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Q: AEROSOFTのエアバス機体の登録が良くわからない。
A: Extendedと新しいエアバスで選択メニューが違うので注意が必要だ。
中の人が作ったビデオがあるので確認しよう。
v1.0.0.63以前よりアップデートした人は一度機体登録からエアバスを消すこと。

Q: MajesticSoftwareのQ400が追加できない。
A: Prepar3Dで、Panel Serialization設定にチェックをする。

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Q: 2回目以降の訓練で、機体ロードが不安定であったり、FSX/Prepar3Dがメモリーエラーでクラッシュする。
A: 機体アドオンの問題もあると思うが、着陸の度にFSX/Prepar3D本体は再起動するのが望ましい。

Q: Prepar3DでPMDG B737NGの機体が表示されない。
A: フォーラムでの記載によればFSiPanelの自主規制でFSX用のPMDG機体は登録できなかった。
Prepar3DでPMDG737の利用は認められていなかったからだ。現在はPMDGがPrepar3D用をリリースしたので対応している。

Q: FSXとPrepar3Dの切り替えはできるの?
A: できるオプションの画面からチェックを変更するだけだ。
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そうすると機体の登録画面もFSX用のものになる。
結果、PMDGを使いたい時だけFSXに切り替えるといったことができる。

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FSX及びPMDG 737でRJCC(新千歳)での着陸訓練をした例がこちらだ。

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Q: 機体ロード後、なかなか安定しない。
A: Active Sky Next等の気象ソフトが起動されているとうまく安定しない。気象ソフトは閉じておこう。
最終のPAUSEを外す際に気象ソフトを起動すればよい。

Q: Move A/CしてPrepar3Dが起動すると”Error create child window”と表示される。~その1~
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A: 空港アドオンを足した際に、空港データの更新をFSiPanel側で実施していないとエラーが表示されることがある。例えばFSX/Prepar3Dのデータに含まれていない2007年より後の新しい空港や滑走路がある場合等は顕著だ。空港アドオンを追加した後は、設定画面を開いて必ず更新しよう。

 

Q: Move A/CしてPrepar3D v3が起動すると”Error create child window”と表示される。~その2~
A: Prepar3D v3でPMDGの機体をロードすると、同エラーがでる場合がある。この場合、他機体では問題がない前提となる。
サポートで開発に聞いてみたところ、解決ができた。

対処は下記の通り。

  • Move A/Cをクリックする前に手動でPrepar3D v3を起動して、適当な機体をロードしておく。
    ※FSiPanelにMOVE A/CからのPrepar3D v3自動起動させない。
    ※PMDG機体で練習する場合は同一機体以外を選択。
  • 場所は適当な空港の適当な滑走路で良い。
  • Move A/Cをクリックする。

これだけで正常にロードできるようになった。執筆時点ではPrepar3D v3の仕様変更もしくはバグと考えられる

Q: 機体が空中でなかなか安定しない。
A: 本ソフトではFSiPanel自身が気象をダウンロードする機能と、Active Sky Nextと連携する機能がある。
後者を利用している場合は、設定を確認しよう。

これが正しく設定されているのに安定しない場合は、気象そのものが安定していない可能性がある。

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Q: Active Sky Next(ASN)からActive Sky 2016(AS16)にアップデートしたところ、Active Sky連携が選択できなくなった。
A: ASNからAS16に変わった際にウェザーデータのファイルパスが変わったため、パスを手動で変更してやる必要がある。※執筆時点でFSiPanel側では未対応。
FSiPanelのインストール先にあるconfig.txtを編集することで対応可能

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FSX / PREPAR3D
5 comments to “離着陸訓練ソフト「FSiPanel」”
  1. ピンバック: FSX/P3D環境のチューニング その3 | Simulator Laboratory "SEALS"

  2. いつも色々と参考にさせて頂いています。FSiPanelでP3D、PMDG737を設定しMOVE ACをクリックするのですが、一般?の機体が表示されPMDGのコックピットになりません。何か設定が悪いのでしょうか?

  3. 岡村さん
    恐らくは機体の登録ができていないのだと思います。ウイングレットやリペイント含めて、FSiPanelで登録するのが良いと思います。
    それ以外だとオフィシャルのフォーラムで見てみるしかないと思います。

  4. ZEPHYRさん
    FSiPanelからの機体の登録はできていると思うのですが(機体の選択はできるので…)、PMDGの場合、FSUIPCはインストールしてなくてもいいんでしょうか?

  5. 試してみたのですが、私の環境も737だけおかしいようです。
    同じくPMDGの777やAEROSOFTのA320はうまく動くのですが、737は機体がロードされますがコールド&ダークみたいな状態で飛行を始めてしまい、事実上使えなかったです。
    どうもおかしいですね。FSUIPCは有償版を使っています。

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