概要
筆者は既にFSXからPrepar3Dへ移行しているためPrepar3Dでの移行を記載する。
FSXでもアドオンは同一のものも多いため今回は共通記事の扱いとした。
なお一般的なOSのアップデート時の注意事項については、以前書いた「FSX/P3D環境のWindows8.1へのアップデート」の記事を参照頂きたい。
正式にサポートされていないシミュレータ本体やアドオンもあるので、各個人の裁量と責任で対処するしかない。
今回はOS部分はアップデートインストールでの実績となる。
新規の場合は参照しながら実施してみてほしい。
※初版 2015/7/29 00:10
※2016/1/2 FS2Crewの音声認識について加筆
準備
アップデート前に下記の点を確認しよう。
- 各種アドオンの対応状況の確認
環境により大きく異なるのがこの部分だ。それぞれ利用しているアドオンも違うだろうが、そもそもWindows10に対応していない(予定もない)ものもあるかもしれない。
特に古いアドオンを利用している場合は注意が必要だ。情報収集をすること。
現行のアドオンの場合は「対応するだろう」と推測し熟慮の上、アップデートする方法もあるが、アップデート後にフライトシミュレータもしくは一部のアドオンが利用できない可能性もある。 - ドライバとWindowsのアップデート
ドライバを含めてあらかじめ新しくしておこう。
Windowsアップデートは更新プログラムの確認で何も更新するものがないところまで確認する。毎月アップデートを行っていても2~3回再起動が必要な場合もある。 - バックアップ
該当記事を参照して頂きたい。
アップデートを実施して壊れた際はOSから作り直す場合は特に気にしなくてもよいのかもしれないが、OSの入っているドライブに大事なデータは入っていないだろうか?
バックアップがされていない場合は消したらデータは戻らないという前提で作業が必要だ。 - サポートされていないソフトウェアのアンインストール
筆者の場合はAcronis True Imageだが7/31時点で最新のビルドは不安定の報告があるため筆者はバックアップ後に一時的にアンインストールした。
アップデートのチェック
Windows7や8.1のタスクトレイのに表示されるWindows10のロゴを確認してほしい。
表示されていない場合は、Windows Updateが完了していない。
同アイコンからはPCのチェック機能で、自分のマシンがアップデートに適しているか確認を行える。
筆者はPrepar3Dは英語モードで動かしているが、下記のような注意が出た。
なお、執筆時点でAppLocaleのWindows10対応が不明だ。
正しく動かないようなので、要注意だ。Windows10へのアップデート時にAppLocaleはアンインストールされるようだ。
言語の設定
Prepar3D利用者では定番のマルチ言語設定の場合、アプリ設定とファイルを残せないとWindows10へのアップデート時に警告が出る場合がある。
そのため全て日本語に戻す。Windows10のセットアップ後に戻すこと。
まずはOSメニュー設定。次にシステムロケールだ。
最後にプロファイルの設定だ。上記の画面の「設定のコピー」ボタンで確認ができる。これらが全て日本語になっていることを確認する。
なっていなければ、下部のチェックボックスにチェックを入れ、現在ログインしているユーザの設定をコピーする。
以降のWindows10のセットアップ時に、エンドユーザーライセンスが日本語で表示され、ファイルの引き継ぎについて聞かれない場合は事前準備は成功と考える。
Windows10へのアップデートの実施
セットアップを開始していく。日本語で表示されているのを確認。
またデータとアプリの引き継ぎ確認画面が表示されないことをチェック。
※Media Centerは別途聞かれる。
この画面が最終チェックだ。個人用ファイルとデータが引き継がれることが大前提だ。
※そもそも引き継がれなければ、ドライバの件は別としてもゼロからセットアップしているはずだからだ。
途中でエラーが発生した場合は、致命的な問題がなければ元のWindowsの環境で起動されるが、パターンは多数あるので個別には記載しない。(できない)
筆者の場合は、プロファイルの変換でエラーが発生した。新しい管理者アカウントを作りメインのアカウント消した。
もちろんプロファイルフォルダは例によって事前にバックアップしている。
その上でインストールを行ったら、最後まで完了できた。必要なものはあとで上書きを行う。
Prepar3d.cfg等の設定一式やActiveSkyNextの設定ファイル等だ。
今回の事象は、過去にマルチ言語(日本語・英語)を追加したり、消したりした影響で発生したと推測される。Prepar3DやFSX、その他海外ゲームを利用している場合は高い確率で本エラーに出会うかもしれない。
Prepar3Dの動作
Windows10に移行後、Windows8.1と同じ手順でロケールの設定を行い、まずはPrepar3Dの起動を確認した。
AppLocaleだが、Windows10では正常に動かないかもしれない。
少なくともCANONのDPPを日本語にするために利用しているが文字が化けしていた。
Prepar3Dでも問題があるかもしれない。
※「Prepar3D v2 FSX後継の選択と日本語環境ガイド」を参照すること。
筆者は同記事にも記載しているが、Prepar3D自体にはAppLocaleを使用していない。他のアドオンに問題が発生する場合があるからだ。
各コンポーネントでは下記のようになっている。
- Prepar3D起動
問題なし - ジョイスティック・ラダー・スロットル(FSUIPC経由で利用)
問題なし。ただし何かのタイミングでデバイスIDが変わってしまったため割り当てを直した。 - CPFlight MCP/EFIS
Communication riverを上書きし、テストツールを起動したところシリアル番号は表示されるがツールの描画に問題あり。
ただしPMDG B737を起動したところ、正常に動作することを確認。
- Active Sky Next
exe.xml経由で自動起動しない。手動で個別起動すると正常に動作。
→調査中(影響小)。 - Ultimet Trafic 2
正常に動作し、AI機が表示されている。 - EZdok Camera (EZCA)
正常に動作し、カメラの切替ができることを確認した。 - SimObjectDisplayEngineが動かない。
筆者の環境の場合は、一部空港(ロシア – プルコヴォ)が本機能を利用していた。
該当の空港を再インストールすることで問題が解決した。
- AEROSOFT AIRBUS A320シリーズ
Windows10から採用された新ブラウザEdgeでフォント問題が発生する模様。Internet ExplororやFirefox、Chromeユーザーは特に問題なし?
※コメント欄で情報をいただきました。マルチクルーはKenさんと接続テストを行い、Take Off stateから開始して、After Take Off Checklistまで問題がないことを確認。
- PMDG B777
飛行は問題なさそう。ただし、ヨークがアニメーションしない。
エルロン・エレベータ共に使用できるのだが、画面内のヨークが固定されたままとなっている。→調査中(影響小)。筆者のみの可能性もあり。
- PMDG B737
特に問題は発見されず。 - FS2Crew(Prepar3D v2.5環境)
改めて音声認識設定を英語で選択する。
これだけで正常に稼働した。Active RunwayでPMDG B737NGXで出現し、Runway Entry ProcedureからTake Offまで確認を行った。
- FS2Crew(Prepar3D v3環境及び新規に音声認識の追加)
Prepar3D v3では日本語環境でシミュレータが稼働するため、日本語環境のままの人もいると思うが、FS2Crew自体は動作しない。
これはFSXでも同様だ。
特に新規OSインストールでの際に注意が必要だ。まずは時刻と言語から英語の言語パックをインストールして、オプションをクリック。
音声認識をダウンロード。
音声認識で使う言語として英語(米国)を選択。青枠内は各自の英語力による。最後に緑枠内をクリックしてウィザードを進める。
日本語の文章を読む。読み終わると「次へ」がクリックできる。
次はコントロールパネルの方から高度なオプションを選択。
英語エンジンを選択する。
そしてこのメッセージが表示される。
UNICODE非対応のソフトや通貨形式の問題ではなく、Windowsのメニュー等の表示の問題だ。
英語を最上位にする。
日付や通貨の形式は日本語(日本)にし、UNICODE対応ではない言語の設定を日本語にすることは可能だ。Windows自身の「表示」が英語になるだけだ。
FSX Steam版
筆者はノートPC(SurfacePRO3)を持っているが、そちらの環境にはFSX steam版が導入されている。アドオンはAEROSOFT A320/321のみだ。
普段利用していないが、一応、起動し飛行もできた。
※それ以上の検証予定はない。
FAQ
Q: Windowsアップデートに失敗する。
A: 画面に表示される正確なエラーコードとWindows10の文字列でGoogleで検索をして同じ事例を探す。
※「エラーが表示されるんです」「失敗するんです」と聞かれて原因がわかるエスパーはいないということを認識すること。
Q: Prepar3D自体が起動しない。
A: Windows10へのアップデートに限らずだが、まず本体が起動しないのかアドオンが機能しないのか切り分ける必要がある。
prepar3d.cfgとexe.xml、dll.xmlをリネームして保存。
もう一度Prepar3Dを起動すると新規に作成される。
この状態で起動する場合は下記のように考える。
prepar3d.cfg
必要なものだけ手書きで修正し、新規作成されたものを利用する。
exe.xml
このファイルに書かれているアドオンはPrepar3D.exeとは別プロセスで動くため、直接影響を与えるものではない。※使えない機能が発生するのみ。
dll.xml
このファイルに記載されるアドオンはPrepar3D.exeと同一のメモリー空間で動くため、対応していないアドオンがある場合はPrepar3D.exeごとダウンしてしまう。<disable>と書かれている箇所をすべて<diable>true</diable>にして、一度すべてのアドオンをオフにする。その上で一つずつ起動して問題を切り分ける。
ZEPHYRさん
こんにちは。
Windows 10の記事ありがとうございます。
僕も一昨日よりクリーンインストールして、P3Dをいろいろといじっています。
今のところパフォーマンスも上がったように思え、画面も美しく非常に満足しているのですが、現行のAerosoft A320シリーズを入れたところブラウザーなどのフォントがおかしくなるという問題が発生しました。
Aerosoftの掲示板でも報告されているようで、Airbus計器用のカスタムフォントが問題のようでした。ご参考まで。
http://forum.aerosoft.com/index.php?/topic/97403-airbus-fonts-distrupt-windows-10-browser-font-display/
FAOR-RJTTさんコメントありがとうございます。
私はFirefoxを利用しているので気づきませんでしたorz
フォントであればそんなに大きな問題はないかもしれないですね。トータルではプラスと思っています。
FSX:SE & PMDGB777がクリーンインストールWin10で問題なく動作しました
affitel-winxさん
ありがとうございます!
自分の環境次第の現象も多々あると思いますが個人での状況報告で常々お世話になっているZEPHYRさんのサイトへの些少な御礼とさせて頂きます。
Windows10 64bit home 自作PC mem 16GB 元来はWindows7
当初Win10への自動updateは数日失敗の記録有り。原因を推測してx-plane 10をuninstallしたら即刻update開始正常終了。 FSX以外は全部問題なし。
Win10へのupdate後FSX自体または各種Add onソフトのせいか不明なれどFSXの動作安定せず。固まってしまうことが多く、放置しておけば数十分で正常画面になる例もあった。
Scenery系のAdd onは全部大丈夫です。
毎度待っていることも出来ずWindows10から全部再インストール。結果、
FSX 単体では安定。PMDG系:安定(registの解放→再インストールを忘れないで!)
Lebel-D 767:FSXがj自体が起動不能。 iFly737NG 不安定。Airbus Extend X:FS2Crewが原因か 不安定。 FSX Default機体は問題なし。 REX4:問題なし。Active Sky Next:FSX起動を阻止(as_connect系の原因らしい表示有り) こんな状態です。
実験的に導入した FSX:SEではActive Sky Nextが復活しました。
各アプリともそれなりの価格なので早くWin10+FSXに対応してもらいたいものです。
少し話がそれますが古いアプリ(FS2004、ATOK8等は動作しないからXP時代のはダメ?)
長文失礼しました。
i8086sukiさんありがとうございます!
FS2Crewはとりあえず私はP3Dと併せて動きましたが、まだ長時間の稼働させていないので、今後検証が必要かもしれません。P3DでAppLocale使ってた人も10ではダメなので、逆に早めに10に合わせてしまって将来に備えた方がいいかなと思ってます。
ZEPHYRさん
始めましてMayatakiと申します。
PCを新調致しまして新たにPrepar3d v3.1をダウンロード、起動したのですが
毎回起動画面終了後バックグラウンドプロセスに移行してしまい設定画面が表示されません。
また、起動毎にbuilding-data・terrain-data・auto-genなどを読み込みます。
こちらでお書きになられている項目は全て行っているのですが解決出来ず
コメントさせて頂きました。
PCのスペックですが
Windows10 pro i7-6700k 16g gtx960です。
解決策を御存知でしたら教えて頂けると幸いです。
MAYATAKEさん、どうもです!
まずはscenery.cfg exe.xml dll.xmlの名前を変更して起動してみると良いと思います。そうすると新規にデフォルトのファイルが作成されます。それで動かない場合はファイルシステムやアドオンが壊れてるかもしれません。起動できる場合は、それらに書かれている設定が間違っているか対応していないアドオンが登録されるてしまってると思います。3つのファイルは頻繁に壊れるので、作業前や適度な間隔でバックアップをとっておくのが良いです。ファイルシステムが壊れてる場合は、OSからチェックディスクをかけてみて、起動をチェックすると良いと思います 。
ZEPHYRさん
回答ありがとうございます。
昨日、名前変更を試してみたのですがやはり選択画面は表示されませんでした。
以前使用してたWIN7では動作したのでファイルシステムの問題かもしれません。
起動しましたらご連絡致します。
ZEPHYRさん
以前書き込ませて頂いた件ですが無事に解決致しました。
根本的な原因は不明ですが、管理者権限の別アカウントを作成し
そのアカウントで起動しましたら、auto-gen等の再読み込みも発生せず使えております。
簡素ですが以上で解決のご報告とさせて頂きます。
Mayatakiさん 良かったです。
もしかしたらAppDataフォルダ等ユーザープロファイルのフォルダやファイルが壊れていたのかもしれませんね。