GeForce GTX 1080とフライトシミュレータ

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概要

今回紹介するのは、“NVIDIA GeForce GTX 1080”だ。
※本記事初版は2016年5月31日となる

 

GeForce GTX1080とは?

NVIDIAの新世代のGPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)であり、チップの生産プロセスが久々に小さくなったものだ。
結果、チップの面積に対しての性能、また電力に対する性能が大幅に上がっている。
前世代のGTX780-980はあまり性能の向上が無かったのが実際のところだ。今回は3年ぶりの大進化である。4gamersの記事などが参考になるだろう。
性能比でまさに”New King”といえるものだ。

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このチップを搭載したボードは、先日までハイエンドであった980Tiを2枚差したSLIよりも速いというのが売りだ。
ただし、それは現在の環境に最適化されている場合だ。

ちなみにGTX 1080が販売開始されたとたん売り切れが続出し、前世代になってしまった980Tiは大幅に値段が下がってしまっている。

 

実際にPrepar3D v3.2での稼働テスト

筆者がよく利用するワルシャワシティX とワルシャワショパン空港、FTX Global Base/Global Vector/ Tree HD/ Open LC EUという最大限に負荷がかかる環境でテストを行った。
天気は雷雨で、REX Texture Directも利用している状態である。

結論の通りだが、チューニング関連記事に記載している通り、FSX/Prepar3DはCPUへの依存度が高い。
そのため、グラフィックボードへの負担がシーンでは性能を生かせるが、PMDGのコックピットのようにCPUの1コアの性能に依存するような画面の場合は生かせない場合が多い。

言い方を変えると、CPUへの負荷が少ない小型機でワルシャワ市上空を飛ぶような場合は非常に有効であるともいえる。この建物群の中をこれだけのFPSで飛べれば十分、またはもっと少ない街で高速に動くので十分と考えることもできる。

g1080-20利用者環境と利用シーンによるということだ。

また、筆者の環境ではGTX 1080上にVRAMが8GB搭載されているので、GTX 780利用時の3GBのVRAMと比べてテクスチャを大量にロードできる点は、メモリ不足(詳細はチューニング記事「その4 メモリ不足とは」を参照)で落ちる現象はパターンによっては減ることになる。PCの搭載メモリとVRAMの量についてはよく比較し理解する必要がある。

ビデオの中の最初のAutogenの設定はこのようになっている。
これを最大限まで上げたのがラストの部分だ。

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FSX/Prepar3D以外は?

過去の資産に縛られない、CPUがマルチコアに最適化されDirectX11以降を利用するようなゲームやシミュレータであればリニアにスピードが上がるものも多いだろう。

例えばDCSやCodemastersのラリーやF1のゲームなどだ。
実際にDirt RallyでグラフィックをUltra設定にし、ボンネット視点のシーンで確認すると常に100FPS以上となった。これは驚くべき結果だ。

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最後に

一言でいえば、利用シーンによるので現在利用しているGPUからアップデートをする人はまずは今の環境で何が遅いのか、十分に把握するのが良いだろう。そのあたりはチューニング関連記事を読んで、確認を頂きたい。

執筆時点では、ドライバが最初のバージョンとなっており、若干不安定な面も見られた。このあたりは改善を待つしかない。

FSX / PREPAR3D