フライトシミュレータを始めよう その10 ~コックピットを作りたい~

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概要

前回に続いて、「フライトシミュレータを始めよう」シリーズ

今回はフライトシミュレータで飛行するにあたって、ジョイスティック以外も使って飛んでみたい方向けの記事です。
この辺りから、本格的な環境へ移行していく方が増えていきます。
※本記事は2016年3月14日が初版となる。
※2017年11月11日 国内製品情報を追記

 

操作デバイスを購入する際の注意事項

最近のランナップだと下記のようなものがあります。
海外メーカー・部門の統廃合の影響で、国内での在庫は少なくなり、入手困難になることがあります。場合によっては海外通販をする人もいるぐらいです。
米国での数倍の値段になっているものも、時期によってはあるのでよく確認しましょう。
2017年11月9日より、ロジクール(旧サイテック)から日本国内製品が再リリースされました。

 

ラダーペダル

さて、入門してもっと機器を揃えたい、本物と同じような操作をしたいという思ってきましたか?

追加でデバイスを購入するなら、まずはラダーペダルがお勧めです。
ジョイスティックのひねりで操縦をしている方も、多いと思いますが、多くの機体では本来は足で機体の左右の向きやブレーキの操作をします。
ブレーキは右と左でそれでれあります。

シーソーのように左右を押し込みつつ、ブレーキを踏み込めるのです。
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購入は少し躊躇する方もいるかもしれません。価格は1万円以上のものがほとんどです。
左右の動きとブレーキのためにその値段!?という人も多いでしょう。
しかし、本格的に続けている方々は持っている方が多いです。

  • Thrustmaster TFRP Flight Rudder Pedals
    スラストマスターの製品です。輸入品が基本ですが、比較的安価なようです。

 

  • Saitek Pro Flight Rudder Pedals
    国内でも取り扱いが始まった平均的なものです。両足の幅が広くコントロールがしやすいと思います。

 

ボーイングの機体? ボンバルディアQ400?

さて、スタートした時点ではジョイスティックで始めた方も多いと思います。
そろそろ、どの機体に乗りたいか決まってきたでしょうか?

実機のボーイングの旅客機やボンバルディアのQ400等は、ジョイスティックではなくヨークで送受します。
ハンドルのように左右に回してロール。前後に押し込んだり引いたりしてピッチを操作します。
本格的なアドオンで飛行する場合は、だんだんと欲しくなってくるかもしれません。

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執筆時点の現行のランナップだと下記のようなものがあります。
ラダーペダルと同様に、国内在庫のばらつきがあり、急に価格が高くなったりする時期があります。

  • CH Products Flight Sim Yoke USB
    定番の一つです。

 

  • Saitek Pro Flight Yoke System
    定番の一つです。スロットルの軸3つに、さらにボタンがヨークやスロットルの下に複数ついています。筆者が執筆時点で利用しているものがジョイスティックとこれです。
    スロットルのボタンにはギアダウンやフラップを割り当てたりできます。

 

乗る機体によってジョイスティックやヨークを使い分けたい場合は、FSUIPCというアドオンで機体毎にデバイスを変えることができます。

 

その他

戦闘機タイプのもの等多くあります。

  • Thrustmaster HOTAS Warthog
    メジャーメーカー製品の中では、最高峰の製品の一つです。
    米軍のA10攻撃機のスティックとスロットルを模したもので、評価が高めです。筆者もスティック部分を利用しています。ボタンのカチッとした作り、重さ、アナログ軸の動き、どれをとってもリアルです。
    スティックの土台だけで23cm×27cmあり少し大きめです。

 

もっと本格的にコックピットを作りたい。~旅客機で10万円ぐらいまで~

ここからは自分が利用する機体に依存します。恐らくは、「自分はボーイング777にするんだ!」「747にするんだ!」という意思と連動してくるかもしれません。
また利用する航空機のアドオンによって使えるもの、使えないものが出てきます。

まずはCPFLightの製品です。
ボーイングのB737NGや、B747、エアバスA320等のMCP・EFIS等が販売されています。
筆者はこの写真のB737NGのMCPとEFISを持っていますが、ほぼPMDG B777でも利用できています。
※購入時は未対応だったが、後日、PMDG B777に対応した。

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これらの製品は、CPFlightのページで確認できます。ボーイング用については定番の機体アドオンメーカーであるPMDGのものに対応していたりするのですが、しっかりと購入前に製品のページで確認する必要があります。
自分の持っている機体やシミュレータで利用できるとは限りません。買う場合は情報をしっかり集めましょう。
汎用的にどの機体でも利用できるというわけでもありません。

本サイトでは、筆者が買った際の記事もあるので、参考にどうぞ。
「CPFlight MCP737EL その1 「開封の儀」と設置」

その他、小さいディスプレイをヨークの上に載せて計器を表示したりすると、少しお金をかければこのぐらいまではできると思います。
なお、現在は筆者はケーブルが邪魔なのでミニディスプレイを止めています。

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もっと本格的にコックピットを作りたい。~軍用機で10万円ぐらいまで~

ポーランドの会社Viper WingがMDF(中密度繊維板)で作られた戦闘機のコックピットやシートを販売している。
いくつの製品があるが基本は半完成品。数個のパーツに分けられて届くそうだ。
この動画はFalcon BMSで利用しているシーン。

ディスプレイやスイッチ類などは自分で買ってきて取り付け、設定を行う必要はある。
実機のシミュレータでもタッチスクリーンを生かして低コストでスイッチなどを再現しているものもあるので、これはこれでありだ。

F-35の場合は、FSX/Prepar3Dなどと組み合わせる必要があるが、実機がそもそもタッチスクリーンのため、商品はシンプルだ。
各コックピットは、スクリーンやシートが別売りだが、Viper Wingで購入が可能だ。

 

もっと本格的にコックピットを作りたい。~100万円ぐらいまで

最初は価格を見て、ビックリするかもしれまん。
ですが国内でも少なくとも何十人かは持っている人がいます。高い自転車やバイクを買うのと同じようなものかもしれません。

定番はJETMAXです。
B737やB777のラインナップがありますが、このシリーズはキャプテン側部分しかありません。
自分で海外通販をして組み立てる方や、インタークラフトさん等国内業者さんに依頼して利用する方がいます。

 

いやいやもっと本格的にコックピットを作りたい。100万円以上

Flightdeck Solutionsのフルスペックの製品群です。実は先ほどのJETMAXはこちらのブランドでシングルシートになっていました。
こちらはフレーム含めて本格的なので、ちょっと個人では手が出ないかもしれません。

以前、記事に書いた「シミュレータショップ その2 “JFlight”」はFlightdeck Solutions(FDS)のものでした。
ここまでくると、近辺の方々は自分で作るよりも横浜に100回行こうという人も多いかもしれません。

実際に国内の別のお店ではFDSの777がサービス開始予定のようですし、本格派の方々や施設に御用達といった感じでしょうか。
ジョイスティック部やFMCの入力部分などは単品でも買えるものがありますので、必要なものだけ買うこともできます。

 

軍用機で本格的にコックピットを作りたい。100万円以上

SimParts.deDCS A-10C用のコックピットが購入できる。計器やパネルなどが揃っており、かなり本格的なものだ。もちろんお値段もお高い。

 

コックピットビルド

国内ですとB737NGはKeisimさんのページが参考になります。
ぜひ見てみてください。各社製品の比較などもあります。

また、コックピットを作る方々のSNS「日本コックピットビルダー協会」を見てみると、多くの方のコックピット環境が確認できます。

 

最後に

どうでしょうか?
後半は難しいかもしれませんが、アルバイトやボーナスでいくつか買ってしまおう思った方!
もう大分、フライトシミュレータにはまってきていますよ。
ジョイスティック1本の次のステップに歩んでみてはどうでしょうか?

今回の記事は一部、フリーの画像素材を利用しています。

フライトシミュレータ入門