フライトシミュレータを始めよう その8 ~軍用機シミュレータ~

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概要

前回に続いて、「フライトシミュレータを始めよう」シリーズ
当サイトでは民間機向けのシミュレータの記事が多いが、軍用機で戦ってみたいという方はいるのではないだろうか?
今回は軍用機シミュレータについて解説をする。
※本記事の初版は2015年12月26日となる。

 

軍用機シミュレータ

国内で利用されているものは主に下記のような製品だ。
中には10年近く前に製品がリリースされ、現在は開発が終了し有志によってアドオンやMODで改良が続けられているシミュレータもあるがどれも現役だ。

  • Rise Of Flight
    第一次世界大戦のシミュレータ。
  • IL-2シリーズ
    第二次世界大戦のシミュレータ。
  • Digital Combat Simulator(DCS)
    主に現代機のシミュレータ。
  • Falcon 4.0
    F-16のシミュレータ。

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製品毎の説明の前に大事な点。
「エースコンバットみたいな戦闘をしたい!」となると、たぶん戦闘機シミュレータに幻滅する。
ドラマティックなシーンが始まって、ミサイルが大量に飛び交うということはなく、あくまでフライトシミュレータだからだ。
大抵は1人パイロットとしてソーティをこなすのみである。この点は注意したい。下手すると戦闘をせずに帰投をすることもある。

 

Rise Of Flight

現在は機体単位で課金になっており、無料版には中の下程度の力を持った2機が含まれている。
steamでも販売されている。もちろん本体は執筆時点では0円だ。
steamで機体を購入した場合は非steam版に機体を持っていくことができないが、セールのタイミングが違う程度だ。

ゼロ円なので、とりあえずインストールしてみて遊んでみるのもいいだろう。
マルチ対戦にも対応しており、海外や国内のサーバで対戦することもできる。

「古い飛行機なんてかっこ悪い!」と思う人もいるだろう。
筆者もそうだったのだが、これは文字通りドッグファイトを楽しめるシミュレータだ。
エンジンも非力で高度を上げるのも一苦労だが、空戦の実力が強く反映されるのも面白い。

国内にはwikiもあるので設定や操作には困らないだろう。

騎士道精神の残る不思議な時代。レッドバロンに興味があるような方にお勧めだ。

 

IL-2シリーズ

いくつのシリーズがリリースされている。前述の通り、第二次世界大戦世代のフライトシミュレータだ。

大きく分けて3つのソフトがリリースされている。

まずはIL-2 1946だ。
少し古いソフトだが、日本の機体や太平洋戦線のシーナリーがあるのも特徴となっており現在も国内でプレーヤーが多い。

COOPと呼ばれるマルチプレーヤーで協力してミッションをこなしていくシステムも特徴だ。
国内で日米に分かれて空母探索からスタートする空母戦や、リアル真珠湾と呼ばれる1時間以上かけて空母から真珠湾まで攻撃しに行き、帰投するプレーを数十人で実施されることがあるのでインターネットでチェックしよう。

現在はIL-2 1946もsteam版がリリースされている。

次にIL-2 Sturmovik: Cliffs of Dover。(IL-2 COD)
こちらはIL-2 1946の続編として、開発されたものだ。Steamでも販売されている。
現在は改善されているのだがリリース当初にパフォーマンス等に問題があり、ユーザーが離れてしまった経緯がある。
またドーバー海峡での戦いが舞台となっているため、国内のプレーヤーのなじみがないこともあり、アクティブなユーザーは少ない。

そしてIL-2 Sturmovik: Battle of Stalingrad (IL-2 BoS)
前作で問題が発生したため、チームは事実上の解散となり、前述のRise Of Flightの開発チームが作ることになった最新のソフトだ。
画面構成やシステムはRise Of Flightにそっくりで、非常に安定しグラフィックも綺麗だ。
本作はドイツ×ソビエトのスターリングラード近辺が舞台だ。

こちらもsteam版がリリースされている。

現在は、モスクワ近辺を舞台にした続編が製作中である。

 

Digital Combat Simulator(DCS)

マイクロソフトのフライトシミュレータやPrepar3Dで普段飛行している方々は、「やはり現代機がいい!」という方が多いだろう。

このシミュレータはフライトシミュレータが主となっているが、名前の通り戦闘全般のシミュレータである。
そのため地上部隊のアドオンもリリースされている。

DCS Worldはsteam版がリリースされているが、本体は無料だ。
その無償版にはロシアの機体一機と、第二次大戦世代の練習機が含まれているが、ここに機体を購入して追加していく。
マップはコーカサス地方の現代が舞台だ。近日、ネバダ州のマップが有償でリリース予定となっている。

機体は、ある程度簡易な操作モデル機体を集約した“Flaming Cliffs 3”追加がまずはお勧めだ。
「とにかく空戦したい!」という方にぜひ。

複雑なモデルの機体も用意されている。
その中で大きな話題となったのがA-10Cだ。
本物のA-10Cと同じようにスイッチをマウスでクリックして細かく航法や兵装の操作ができるのだ。
エンジンスタートから滑走路まで15分ほどかかることもあるほど細かい。

DCSの情報は国内の“BigBird JPN”を参考にすると細かく解説されているのでお勧めだ。

余談だが、実は筆者はIL-2の後、この機体で遊ぼうとしたがA-10C(現代機)の航法システムが分からずに、インストールして数時間で積ゲーとなっていたFSXに来たのだが今はミイラ取りがミイラである。
車シミュレータ中心だったサイトはマイクロソフトフライトシミュレータのサイトと認識されるようになってしまった。

 

Falcon 4.0とBMS

Falcon 4.0の特徴は、リアルなF-16の操作と、戦況が変わっていくダイナミック・キャンペーンシステムである。
公式には開発が終わっているのだが、有志(元開発者含む!?)によって今も改善が行われ続けているフライトシミュレータだ。
そのBMSはBenchmark Simsが取りまとめたMOD集のようなものである。

現在は、Steamでの単品やGOGで“FALCON COLLECTION”を購入するとFalcon 4.0が含まれている。
それらにBMSを追加することでFalcom 4.0 BMSとなる。

 

フライトシミュレータの制作チーム

2000年頃までは、フライトシミュレータや車のシミュレータは西欧・米・カナダで制作されているものが多かったように思える。
しかし現在は民間機を中心としたシミュレータ以外は、全て東欧製(販売が西欧の大手であっても)が多い。
30代以上の人は、昔の知識のまま「ロシア製ww」と思うかもしれない。正直、それは時代遅れな考え方である。
今やアメリカ軍にシミュレータを納品しているデスクトップシミュレータの一部メーカーもロシアの会社であったりするほどだ。
3DCGという繋がりで見てみると、最近の映画のエンドクレジットでCGセクションが東欧の人の名字だらけなので、注意して見てみると良い。

シミュレータもCG製作も東側の活躍が熱いのだ。

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最後に

シミュレータは基本設定をしてしまえば、後はほぼ同じだ。
飛ぶ仕組みや操作は飛行機である限り変わりはない。
興味がある方は無料版が存在するシミュレータも複数あるので、専門サイトで勉強しながら試してみてはいかがだろうか?

次回は「フライトシミュレータを始めよう その9 動かない? 分からない? どうすれば?」です。

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フライトシミュレータ入門
One comment to “フライトシミュレータを始めよう その8 ~軍用機シミュレータ~”
  1. まとめtyaiました【【フライトシミュレータ】 フライトシミュレータとは?】

    今回の趣旨 筆者は、PCシミュレータの世界へはフライトシミュレータから入った。 そこで今回はフライトシミュレータを紹介したいと思う。種類 PCフライトシミュレータは大きく分

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